不倫、浮気で離婚する手順、慰謝料請求を有利に進める請求や慰謝料を請求された場合~配偶者の浮気が判明した方

夫や妻などの配偶者に不倫されたら、離婚を検討せざるを得ない状況になるケースが多いでしょう。そんなとき、不利にならないために押さえておくべきポイントがあります。

安藤一幹弁護士のサイトでは、離婚・不倫慰謝料や親権、財産分与など「相手の不倫や浮気で離婚するときの必須知識や対処方法」を法律相談でご案内していますので、不倫されてお悩みの方はぜひ安藤一幹弁護士にご相談ください。

1.不倫は離婚原因になる

不倫された場合、離婚を希望するかは別として、不倫をされた配偶者側は、「法律上、配偶者に不倫、浮気されたら離婚を請求」できます。
民法上、不倫は裁判上の離婚原因となるからです。ですから、こちらが離婚をする場合は相手方の離婚についての「同意」はいらないことになります。

不倫や浮気を法律用語で「不貞」といいますが「不貞」となるのは「肉体関係のある不倫関係」を意味します。
訴訟で配偶者と不倫相手との性関係を立証できれば、離婚を認めてもらえますし慰謝料も請求できます。また、ある裁判官から聴いた話しによると、親密的な交際の継続の証拠しかなく性関係の立証が難しくても、婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があるといわれたことがあります。離婚されたい場合は、弁護士にあきらめないで相談してみましょう!

もし、不倫した相手が「離婚したくない」と主張しても、最終的に訴訟を起こせば離婚できると考えましょう。

ただ、通常は浮気されてもいきなり訴訟を起こさずに相手と話し合うケースが多数です。協議離婚の方が素早く柔軟に解決できますし、労力も費用もかかりません。しかも、訴訟になった場合、ある程度結論が見えているという事情もあります。

有責配偶者からの離婚請求は原則として認められない~慰謝料や財産分与のパワーバランスを活かして交渉することも。

他方、離婚については、単純な不貞のケースでは、半分くらいは離婚には至らないか、当面別居に陥るもののすぐに離婚に至るのは、感覚的に2割くらいといったところでしょうか?ですから、あわてて離婚をする必要もないですし、離婚をするかを弁護士に相談しても良いですし、復縁の斡旋を求めて裁判所に円満調停を求めても良いと思います。例えば、弁護士会の研修資料の裁判例24件のまとめを見てみると、

  • 離婚 7件前後
  • 別居 14件前後
  • 離婚せず 3件前後

となっています。(無作為、裁判例ベース)

有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められていません。つまり、不倫をした当事者からの離婚請求は原則として認められていません。例外的には、1)長期の別居、2)未成熟子がいないこと、3)離婚されることで配偶者が過酷にならないこと―の3点が必要です。
このように、小さなこどもがいる場合は、当面離婚を拒絶することもできますし、小さなこどもがいない場合においては、5年程度で長期の別居になる可能性もあるかもしれません。配偶者の浮気が発覚した場合においては、1)離婚するか、2)離婚しないのか、そして、3)婚姻費用の受給を受け続けるなどの考え方もありません。
不倫が発覚したからといって、「離婚ありき」ではありません。安藤一幹弁護士が寄り添い、「後悔のない」離婚の策を一緒に検討しましょう。
もし、不貞配偶者が離婚を希望する場合は、「有責配偶者」であることを前提に、慰謝料や財産分与、養育費の交渉をすることになります。安藤一幹弁護士はこうした、「有責配偶者からの離婚請求」を前提とした事案は、男性側も女性側も、豊富な経験を持っています。
このように、不倫された場合で証拠がある場合は、離婚を拒否できる権利があるということを抑えておきましょう。

2.不倫されたときの離婚の進め方

以下で不倫されたとき、離婚する場合の離婚の進め方、手順をご説明します。

2-1.自分の配偶者とは話し合う!

不倫されてしまったら、不倫相手に対する慰謝料請求がクローズアップされることが多いですが、許せないので離婚されるという方も一定数おられます。
不倫されて離婚を決意したら、まずは弁護士を入れて相手と話し合いましょう。離婚だけではなく、慰謝料や財産分与、子どものいる方の場合には親権者や養育費も定める必要があります。

2-2.離婚協議書を作成する

相手と合意ができたら「離婚協議書」を作成しましょう。離婚協議書とは、離婚の条件をまとめた契約書のような書類です。日付を入れて夫婦双方が署名押印し、2通作成してそれぞれが1通ずつ保有します。最低でも弁護士に作成してもらうことにしましょう。お子さんの関係で離婚日がずれることがあるので、弁護士によく相談したうえで作成しましょう。

2-3.公正証書にする

できれば、弁護士に依頼して公証人に依頼して公正証書にすることが良いと思います。
離婚協議書ができたら「離婚公正証書」を作成しましょう。特に慰謝料を分割払いにする場合、公正証書化が必須といえます。長期分割になると、どうしても途中で支払われなくなるリスクが高くなるためです。
公正証書にしておくと、相手が支払いをしないときにすぐに給料や保険、預金などの財産を差し押さえといって強制執行できますので、簡単に回収できるメリットがあります。

公正証書を作成したいときには、お近くの公証役場へ申込みましょう。名古屋市の場合、名駅、葵、熱田の3つがあり、このほか岡崎などがあります。
担当の公証人と日程調整をして相手方と一緒に出頭すれば、離婚公正証書を作成してもらえます。

2-4.離婚届を提出する

離婚協議書や公正証書ができたら、離婚届を作成して役所へ提出しましょう。
離婚届を受け付けてもらえたら、その日に離婚が成立します。

2-5.離婚調停を申し立てる

不倫した夫や妻と話し合っても合意できないなら、家庭裁判所で離婚調停を申し立てましょう。
多くは、離婚自体は争えないものの、1)慰謝料額、2)財産分与額、3)養育費額などで折り合わないといったことが経験的に考えられます。
調停では、調停委員が夫婦の間に入って話し合いを調整してくれます。不倫の証拠があれば、慰謝料を払うよう説得してくれると思いますが、一般調停委員や田舎の裁判所の場合は斡旋してくれない「司会者」のような調停委員も少なくないので、必要に応じて弁護士を代理人にしておきましょう。
合意ができれば調停が成立し、離婚できます。

2-6.離婚訴訟を申し立てる

調停でも合意できない場合には、やむを得ず調停の後、家庭裁判所で離婚訴訟を申し立てましょう。訴訟になると、裁判官が離婚するかどうかや慰謝料、財産分与の金額などを決めてくれます。
相手が慰謝料の支払いを拒否していても、不倫を証明すれば慰謝料の支払い命令を出してもらえるでしょう。
判決が出たら、判決書を役所に持参すれば判決書(確定証明書付)を添付して離婚届を提出できます。

3.不倫されたとき、離婚するかどうかは「された側」次第

夫や妻に不倫されても離婚したくない方もおられます。それにもかかわらず相手が強硬に離婚を求めてきたら、どうすればよいのでしょうか?

実は法律上、「不倫した側」は離婚を無理に進められないルールになっています。自分で不倫して離婚原因を作ったにもかからず、相手方の意思に反して離婚を強行するのは不合理だからです。
不倫した人を法律上「有責配偶者」といいますが、有責配偶者からの訴訟による離婚請求は基本的に認められません。これを「有責配偶者からの離婚請求禁止の法理」などということがあります。(3つの例外があります。)

浮気した本人から離婚請求されたとき、離婚したくなければ拒否し続けましょう。
合わせて相手が勝手に離婚届を偽造して役所へ提出しないように、事前に「離婚届不受理申出」をしておくようお勧めします。離婚届不受理申出をすれば、申出人の意思確認を取れない限り離婚届が受け付けられなくなって安心です。

4.不倫、浮気されたら慰謝料請求できる

夫や妻に不倫・浮気されたら「慰謝料」を請求できます。浮気されると被害者は大きな精神的苦痛を受けるからです。

以下で慰謝料の相場や請求相手、期限などについてみていきましょう。

4-1.不倫慰謝料の金額相場

不倫慰謝料の金額には法的な相場があります。ケースにもよりますが、50万円~300万円程度となる例が多数です。

離婚するかどうかで金額が変わる

不倫慰謝料の金額は、夫婦が離婚するかどうかで大きく変わってきます。
離婚する場合、された側の精神的苦痛が大きくなるので慰謝料は高額になります。金額的には100~300万円程度となるケースが多いでしょう。
離婚せずに夫婦が復縁するなら精神的苦痛は小さいと考えられるので、慰謝料は低額になります。金額的には100万円以下となるでしょう。

婚姻年数で金額が変わる

夫婦の婚姻年数によっても不倫の慰謝料額は変わります。
婚姻年数が長いほど精神的苦痛が大きいと考えられるので、慰謝料額は上がります。

  • 婚姻年数が1~3年程度…慰謝料額は100~150万円程度
  • 婚姻年数が3~10年程度…慰謝料額は150~300万円程度
  • 婚姻年数が10年以上…慰謝料額は300万円かそれ以上

このように婚姻年数、不貞期間、不貞相手とのこどもの有無、性的関係の回数なども考慮の対象になるでしょう。

慰謝料が高額になる条件

その他、以下のような場合には浮気慰謝料が高額になりやすい傾向があります。

  • 不倫の期間が長い
  • 不倫された回数が多い
  • 相手が家出した、不倫相手と同棲した
  • 生活費を払ってもらえなくなった
  • 暴力を振るわれた
  • 未成年の子どもがいる、子どもが複数いる
  • された側がうつ病などの精神病にかかった
  • 不倫相手や不倫した妻が妊娠した
  • 相手の社会的地位や収入が高い、資産が多い

自分たちで話し合って決める場合の慰謝料額

慰謝料の金額を自分たちで話し合って決める場合、慰謝料の額に明確な制限はありません。
300万円を超える慰謝料額を定めるのも自由で500万円、800万円などとしてもかまいません。

また慰謝料代わりに財産分与を多くしてもらう方法もあります。たとえば不倫されたとき、慰謝料の代わりに財産を全てもらってもかまいません。このような財産分与の方法を「慰謝料的財産分与」といいます。

4-2.肉体関係がなくても慰謝料が発生する?

法律上の不貞行為は「肉体関係をともなうもの」に限定されます。
では、不倫の慰謝料は肉体関係を立証しないと請求できないのでしょうか?

実は肉体関係がなくても慰謝料が認められる可能性があります。男女の関係を証明できなくても、社会通念上相当と認められる範囲を逸脱して親密に交際している事実があるなら、夫婦の平穏な関係を侵害していると考えられるためです。
もっとも、実際は、証拠の問題であり、実際は裁判官としては性的関係があったと推測しているとみられると分析できる事例でそのような裁判例が見られます。
配偶者と浮気相手が親しげにLINEやメールで会話したり、配偶者が夜中に家を抜け出してしょっちゅう不倫相手と会ったりしているなら、明確に肉体関係を証明できなくても慰謝料を請求できる可能性があります。
夫や妻の浮気に悩んでいるなら、一度弁護士に相談してみてください。

4-3.不倫慰謝料の請求相手

不倫されたときの慰謝料請求相手についても知っておきましょう。一般的には、自分の配偶者とは離婚したくないパターンの場合は、不倫をした相手方(恋人とされる人)への不倫慰謝料請求を先行させるパターンが多いといえます。

浮気の慰謝料は配偶者と不倫相手の両方へ請求できます。不倫は法律上「不法行為」となりますが、配偶者と不倫相手の2人が共同して行うものだからです。
複数の人が共同で行う不法行為を「共同不法行為」といい、被害者は共同不法行為者全員に対して賠償金を請求できると考えられています。

不倫の慰謝料は連帯責任

共同不法行為者の責任は「連帯責任」なので、一人ひとりが「全額」の支払い義務を負います。つまり不倫されたら、配偶者にも不倫相手にも全額の慰謝料を請求できると考えてもいいですが、離婚慰謝料と比較して、不倫相手に請求する不倫慰謝料は、やや低額になる傾向にあります。2人同時に請求してもよいですし、どちらか一方のみに請求してもかまいません。もっとも、執務上、離婚の決断はすぐにはできないというパターンの場合は、不倫慰謝料の請求相手への請求を先行させることが多いといえます。

離婚するなら配偶者と不倫相手の両方へ、離婚しないなら不倫相手のみに請求するとよいでしょう。

4-4.慰謝料の請求期限

不倫や浮気されたときの慰謝料請求権には「時効」が適用されるので要注意です。
慰謝料の時効期間は配偶者へ対する請求権と不倫相手に対する請求権で異なる可能性があるので、正しく理解しましょう。

不倫相手への慰謝料請求権

不倫相手に対する慰謝料請求権の時効は「不倫の事実と不倫相手を知ってから3年間」です。不倫を知らない間や不倫相手が誰かわからない間は時効期間が進行しません。

これらの事実が判明したら、3年以内に請求しないと時効が成立してしまいます。
ただし、時効が成立するまでに相手に慰謝料支払い義務を認めさせるか訴訟を起こせば時効を止められます。すぐに訴訟を起こせない場合、内容証明郵便で請求すると、6ヶ月間だけ時効を延長できるので、早めに対応しましょう。

配偶者への慰謝料請求権

配偶者への慰謝料には離婚慰謝料と不倫慰謝料があります。不倫慰謝料の時効期間は不倫相手に対するものと同じです。
一方、離婚慰謝料の時効は「離婚後3年間」です。不倫を知ってから3年が経過していても離婚時期が遅い場合、元配偶者には慰謝料請求できる可能性があります。なお、離婚慰謝料は、最高裁判所の判例により不倫相手には請求できず、あくまで「不倫慰謝料」に限られるものと考えられています。「不倫慰謝料」の事項の起算点は、不倫が発覚した時から3年といえますので、時効の起算点が変わってくるという点がポイントといえます。

5.不倫や浮気と親権の関係

配偶者に不倫されたとき、子どもの親権にはどういった影響が及ぶのでしょうか?裁判では、不倫相手に「パパを盗られた」といった理由から、慰謝料請求をしていた時期もありました。しかし、最高裁の判例で、こどもの請求権が否定されてからは、こどもがいること、未成熟子であることは、不倫慰謝料の増額要素と考えられるといえます。

さて、多くの方が「不倫されたら自分が必ず親権をとれる」と考えるものです。このような理屈は女性が不貞をした場合が念頭にあるように思われます。
しかしその考えは必ずしも正しくないので注意しましょう。
法律上、親権者としての適格性と不倫は別問題ととらえられています。

不倫して離婚原因を作っても「子どもにとって良い親」であれば親権が認められる可能性があります。たとえば妻が不倫して離婚することになったとき、夫が希望しても妻に親権をとられるケースが少なくありません。例えば、元裁判官が書いた文献でも、一般論として、現在の職業が風俗関係でも直ちに親権者としての適格性の否定はされにくいように記述がされています。

不倫されたとき、子どもの親権を獲得したければ離婚を準備する段階から慎重な対応が必要です。親権争いが予想されるなら、お早めに弁護士までご相談ください。

6.不倫や浮気と財産分与の関係

相手に不倫や浮気をされたら、財産分与を多く受け取れるのでしょうか?

この点についても、世間では誤解されているケースが多数見受けられます。実は不倫や浮気をされても、財産分与を増やしてもらえるとは限りません。法律上、不倫があっても財産分与割合は基本的に2分の1ずつとされます。
夫婦共有財産が多額にのぼるご夫婦の場合、不倫されたのに高額な財産分与を払わない解けないリスクが発生する可能性もあります。

不倫と財産分与の具体例

たとえば夫婦共有財産が3000万円のご夫婦で奥さんが不倫して離婚するとき、夫は妻へ1500万円の財産分与をしなければなりません。慰謝料額は300万円程度にしかならないケースが多いので、不倫された側の支出が増えてしまいます。
夫婦共有財産が800万円のご夫婦で旦那さんが浮気して離婚するとき、妻が受け取れる財産分与額は400万円だけです。800万円全額もらえるわけではありません。

ただし自分たちで話し合って離婚条件を決めるなら、財産分与額や慰謝料額は自由に決められます。たとえば不倫された妻が全額の財産をもらってもかまいません。不倫した妻への分与額を減らすことも可能です。

柔軟に解決するためには、協議離婚するのがベストといえるでしょう。

7.不倫や浮気されたときに重要な証拠集め

不倫や浮気されたときには、証拠集めが極めて重要です。証拠がなければ法律上「不倫はなかったこと」にされてしまうからで、配偶者を「有責配偶者」にすることはできません。相手に慰謝料請求もできませんし、離婚すら認めてもらえない可能性が高くなるでしょう。もしくは不倫した相手から不利な条件を押し付けられて無理に離婚させられ、離婚後の生活に困ってしまうケースも少なくありません。

不倫されたら、離婚するとしてもしないとしても、必ず「肉体関係を証明できる証拠」を集めるべきです。LINEやメールなどのやり取りの中でも「性関係のわかる部分」を抜粋すること、また配偶者と不倫相手が一緒に旅行に行った証拠、配偶者が不倫相手宅に泊まった証拠などが重要です。

とはいえ、肉体関係を直接立証できない証拠に意味がないわけではありません。
多くの間接的な証拠を積み重ねると肉体関係を推測できますし、「肉体関係がなくても親密すぎる交際がある」と証明すれば少額の慰謝料が認められる可能性もあります。

証拠集めに迷ったら弁護士がアドバイスいたしますので、お気軽にご相談ください。

8.浮気や不倫にお悩みの方はご相談ください

安藤一幹弁護士では浮気や不倫、離婚問題に積極的に取り組んでいます。浮気の慰謝料請求や離婚の交渉代理も承っています。弁護士が介入することで有利な条件で離婚を成立させたり高額な慰謝料を獲得したりできるケースが多いので、お困りの際にはお気軽にご相談ください。初回のご相談料は無料とさせていただいております。

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