離婚にまつわる子どもについてのご相談|親権、養育費、面会交流

離婚の際、夫婦の間に未成年の子どもがいたら「親権者」を決めなければなりません。離婚後にこどもを監護養育する方ということになります。
子どもを引き取るなら相手に「養育費」を請求できますし、「面会交流」の方法についても取り決めておかないと重大なトラブルになってしまうリスクが高まります。養育費の支払いや面会交流の実施は、こどもが愛されていることを実感することができる重要なことですし、父母の関心ごとでもありますので必ず取り決めをしましょう。

離婚の際、子どもについて不安があれば安藤一幹弁護士までご相談ください。

離婚による子どもへの影響

小さい子どもがいる場合、「離婚によって子どもに与える悪影響が心配」というご相談をよくお受けします。

確かに日本には「子どもには両親揃っている環境が望ましい」という考え方が根強く存在します。実家の両親や友人などに相談しても「子どもがいるんだから離婚は思いとどまった方がよい」などと説得されてしまうケースが少なくありません。

「自分さえ我慢していればよい」と考えて、パートナーとの関係が悪化したまま辛い婚姻生活を継続される方がたくさんいらっしゃいます。

しかし、両親が揃っている環境であれば本当に子どもは幸せなのでしょうか?
たとえば毎日のように両親がいがみあって怒鳴り合っていたり、父親が母親に暴力を振るったり暴言を吐いたり侮辱したりしている様子を見ていたら、子どもはどう感じるでしょうか?

DVが日常的に行われている家庭で育った子どもは、自分が大人になったときにDVを繰り返してしまう傾向があるといわれています。
父親や母親が不倫している家庭で育った子どもは、複雑な思いを抱えながら思春期を過ごすことになるでしょう。人格形成にも影響を及ぼす可能性があります。

両親の関係が破綻しているなら、子どものためにも離婚すべきケースが存在します。
「自分さえ我慢していればいい」と考えることにより、かえって子どもに悪影響を与えてしまう可能性があるので、まずは自分たち夫婦の関係を客観的に見つめ直してみましょう。
また、こどもについての片親の喪失感が気になるときは面会交流を行うことにより、喪失感を埋めることが有効であると考えられます。

親権

相手と離婚することに決めたら、子どもの親権者を決めなければなりません。ときどき監護者との分属といわれる方もいますが、監護者は離婚するまでの暫定的な監護養育する方と位置付けていた方がよく、分属は適当ではないと考えておくべきでしょう。
日本では離婚後は、「共同親権」から、父母のいずれかによる「単独親権」となります。すなわち、日本では、「共同親権」が認められていないからです。離婚後は父親か母親のどちらかしか親権者になれません。

親権者は通常、子どもと一緒に住んで監護養育を行い子どもの財産管理を行います。
親権者にならなかった方は子どもと離れて暮らすことになり、子どもの代理人にもなれません。

親権者は、父親と母親が「子の福祉」の観点から、話し合って決める必要があります。「何が子どものために一番か」という観点から、自分たちのエゴを抜きにして的確な方を親権者にしましょう。一般的には、1)主たる監護をこれまでどちらがしていたのか、2)乳児の場合は母子優先、3)監護の安定性、4)子の心情に反しない―ということがメルクマールになるでしょう。
換言すれば、これまで主として子どもの養育に携わってきた親、離婚後も子どもと過ごす時間を長くとれそうな親を親権者とするようお勧めします。

両親ともに親権を主張する場合には、家庭裁判所で「離婚調停」をしなければなりません。
調停でも決定できない場合には「離婚訴訟」で裁判官に親権者を指定してもらう必要があります。
親権争いが発生すると子どもも巻き込んで大きなトラブルになるので、できるだけ穏便に話し合って決めるのが理想です。

なお両親ともに親権を希望する場合「親権者」と「監護者」を分けて解決する方法があります。監護者とは「子どもと一緒に住んで養育看護する人」です。親権者と監護者を分けた場合、親権者は子どもの財産管理のみ行い、一緒に住むことはありません。父母が低緊張の場合は、父親を親権者、母親を監護者に指定するケースもあります。ただ、監護者を指定する方法は限られるので、協議で行うことは実質的にはできないと考えられ、調停や公正証書による必要があるのではないかと考えられます。

親権についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よければご参照ください。

相手ともめてしまった、子どもを連れ去られた、面会交流中にこどもが引き揚げられたなど、子どもの問題で困ったときにはお早めに弁護士までご相談ください。

養育費

未成年の子どもを引き取ったら、相手に養育費を請求できます。
養育費には子どもの衣食住にかかる費用、学費、医療費、交通費などの費用が含まれます。親である以上、子どもが成人するまでは基本的に養育費を払わねばなりません。養育費の支払い義務は「生活保持義務」という高いレベルの義務であり、支払い義務者は自分の生活レベルを落としてでも払う必要があります。

養育費の金額について

養育費の金額は、お互いに話し合って合意できればいくらにしてもかまいませんが、法律的には父親と母親の所得に応じた基準があります。
もしも話し合っても決められなければ、裁判所の定める基準【標準算定表】に従って決定しましょう。

養育費は子どもが成人するまで支払われなければなりません。ただし現実には成人するまで払われないケースも多々あります。確実に受け取るには、離婚時にきっちり養育費について話し合い、支払方法について取り決めておく必要があります。

その上で、養育費の支払いについて「公正証書」を作成しましょう。公正証書があれば、相手が支払わないときにすぐに給料や預貯金などを差し押さえて養育費を回収できるからです。

弁護士が養育費の支払いについての交渉や離婚公正証書の作成、離婚後に相手が養育費を払わないときの請求代行などをさせていただきます。不安のある方はぜひとも一度ご相談ください。

養育費についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よかったら参考にしていただけますと幸いです。

面会交流

子どものいらっしゃるご夫婦が離婚する場合、「面会交流」についても取り決めておきましょう。
面会交流とは、子どもと離れて暮らす親が子どもと面会したり連絡を取り合ったりすることです。法律上も、別居親と子どもの面会交流権が認められています。

離婚時に面会交流方法を約束しておかないと、離婚後に相手から強硬に面会交流を求められたり面会交流調停を申し立てられたりしてトラブルになるケースが多々あります。

子どもを巻き込んだ紛争を避けるため、離婚時に実現可能な方法で面会交流の約束をしておくべきです。

面会交流の方法

面会交流の方法には法律上定まった規定はありません。
親子関係や居住地域、子どもの年齢や希望などにかんがみて、個別に最適な方法を設定しましょう。

平均的には月1回程度、面会するケースが多数ですが、月に2回や2ヶ月、3ヶ月に1回などとしても問題はありません。

重要なのは「無理なく継続できること」です。
子どもにとってもっとも負担が小さく楽しめる方法、監護親にも負担とならない方法、別居親としても満足感を得られる方法を模索しましょう。

もしも面会交流について話し合いができなければ、別居親の方から家庭裁判所で面会交流調停を申し立てることができます。調停でも面会交流の方法が決まらなければ、裁判所が「審判」によって面会交流の方法を指定します。
審判で強制されるよりは当事者同士で話し合って決める方がスムーズですしお互いに気持ちよく面会を実施できるので、可能な限り協議による合意を目指しましょう。そのような意味では安易に間接強制などに訴え出ない方が良いだろうとは思います。

なお面会交流を拒絶できるケースもありますが、少数です。基本的には面会は実施すべきと考えられています。相手から暴力を振るわれていたなど特殊なケースでは拒否できる可能性もあるので、困ったときには弁護士に相談してみてください。

弁護士が交渉の代行、面会交流のサポートをいたします

相手と直接話すのが苦痛となる場合、弁護士が交渉を代行します。事案に応じた最適な面会方法のご提案もできますし、合意書の作成なども可能ですのでお気軽にご相談ください。

名古屋駅ヒラソル法律事務所では、「子どもの問題」に非常に力を入れて取り組んでいます。特に所長弁護士が高い関心を抱いており、面会交流についての書籍も執筆しております。親権問題や養育費、面会交流などについてお悩みの方がおられましたらお気軽にご相談ください。

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