離婚したいが財産分与について分からない
いざ、「離婚」や「別居」するにあたり、財産分与でどれくらいの金銭がもらえるのだろうか、または、渡さないといけないのだろうかという点が、離婚はしたいものの、「財産分与について分からない」根底にあるのではないかと思います。
この点、財産分与とは、結婚中に夫婦が協力して築いた財産を分けあうことをいいますが、婚姻費用や慰謝料を財産分与に含め、「解決金」という形で早期に解決するケースもあります。
まず、財産分与は名義が夫のものになっていたとしても、妻の協力があって築き上げられた財産ですので、分与の対象となりますし、年金分割の対象でもあります。
まずは、いくら、財産分与がもらえそうなのか、反対に家計を管理している場合、支払わないといけないのかということについて、財産分与の対象になるものを一覧に書き出して、それぞれの金額を計算し、おおまかな目安をつけることとなります。
また、財産分与の分ける割合は、原則として、「2分の1」ルールが適用されてり、築いた財産に対する貢献度においては平等というように考えられています。
1.分与の方法も簡単ではない
まず、貯金なら、お金を分ければ足りるということになります。
しかし、分与するものが、
- 不動産
- 特にローンが残っている
- 例えば、家を売って得たお金からローンを差し引いた分を分けあう
- 家の名義は夫のまま、ローンも夫が払い続け、妻が住み続け家賃を支払う
などの方法があります。
このように離婚は、「一生に一度」のことですので、後悔のないように、大きな財産を分与する場合は弁護士・司法書士などのアドバイスを受けると良いでしょう。
2.預貯金について財産分与できるか分からない?
最近は、法律相談の際、婚姻前からの預貯金は特有財産として、財産分与の際に優先的に回収可能と思っているケースもあります。
しかし、夫婦の預貯金は、生活に伴い、入出金を繰り返しながら変動するケースが多いといえます。そうすると、婚姻時の残高は、「夫婦共同財産」になってしまうと考えられ、基準時の残高を分与対象財産とすべきとの裁判例もあるようです。
そのうえで、婚姻前の口座の預金残高が高額の場合は、寄与度の問題として分与割合を認定する際に考慮するという考え方はあり得ると思います。ただ、婚姻期間は5年内が目安であるとの見解もあります。
1)当該預金口座が生活用の口座として入出金が繰り返され混然一体となっていたのか、2)生活用の口座とは切り離して保管されており、何らかの事情で夫婦のために単発的に引き出されたか―で見通しは変わってくるといえます。
まずは、「特有財産問題」にも詳しい安藤一幹弁護士にまでご相談ください。
3.将来の退職金も婚姻期間に応じて「財産分与」の対象?
清算的財産分与は、婚姻時から別居時までに夫婦で形成した財産を清算するものです。そこで退職金については、公務員等の倒産リスクがない場合においては、定年退職まで13年間あるケースでも、将来の退職金を清算対象と認めた事例があります。30代から40代でトヨタの社員といった場合は、「別居時に自己都合退職した場合の退職金」を2分の1ルールに沿い清算することになるのではないかと思われます。
しかし、1)退職金、2)確定拠出年金、3)財形貯蓄、4)社内預金-については、相手方が任意開示してくれない場合もあります。
そこで、弁護士を就けて対応することが考えられます。
この点、男性の側からすれば、財産分与としては、支払うべき給付を減らしたいと考える方向になるのは自然といえます。
そこで、調停や訴訟での「調査嘱託」(民事訴訟法186条)の申立てがあります。調査嘱託とは、嘱託先に裁判所が、証拠開示を求める強力な武器になるものです。
もっとも、本人調停などでは、「調査嘱託」の申立ては困難といえるかもしれませんので、具体的な申立ては、弁護士に法律相談されるのが良いと思います。
4.オーバーローンの不動産はどうするの?
売却すると、オーバーローンになってしまう不動産について、負債を2分の1で負担する必要はあるのか、という法的論点でいわれることが多いといえます。
夫婦共有財産となる不動産は、財産分与にあたり、その評価額を算出し、離婚後も名義人として取得する一方当事者が、取得しない他方当事者に対して評価額の半分を価格賠償するのがオーソドックスな処理です。
しかし、時価からローンをマイナスして、プラスが残ればそれを分けあえば良いといえますが、オーバーローンの状態はめずらしくありません。
この点、不動産の価格よりも住宅ローンの残高の方が多い場合は、不動産の価値をゼロとみなすことになりますので、不動産を取得しない当事者への価格賠償は生じません。また、不動産を取得する当事者が住宅ローンを負担することになります。
このほか、不動産には、次のような問題が生じることがあります。
- 共有持分があり、住宅ローンの残っている自宅不動産の取り扱いのケース
- 婚姻前からの頭金を不動産購入の際の原資とした場合のケース
- 婚姻前に購入した不動産のローンを婚姻後も支払っていた場合の評価
- 配偶者の親族の所有する土地上に建てた不動産の処理が問題となったケース
- 収益物件のケース
- オーバーローン不動産の特有財産部分の清算が問題となった事例
- 住宅ローンに預金担保がついていた場合の処理のケース
- 親族の土地上の建物について、使用貸借契約解除が問題となるケース
5.まずは、お気軽に法律相談を
財産分与は、離婚後の「具体的な生活」、つまり「経済的自立」に向けたイメージを抱くところで重要な点です。
財産分与のハードなケースを多くこなし研究熱心な安藤一幹弁護士だからこそ、適切な財産分与を実現することができると思います。
特に、DV被害を受けている被害者は「自分が悪いから財産分与を受けられない」と思い込むケースも少なくありません。また、夫側も適切な主張ができていない事案も散見されます。
安藤一幹弁護士は、財産分与の希望される方への支援体制を強めています。
財産分与についても、頼りたくなるように思う心情も大事です。
悩みを笑いに変える財産分与相談をご希望の方は、お気軽に安藤一幹弁護士へご相談ください。